ikus.医療美容ケア研究会とは
ikus.医療美容ケア研究会は、i(いつもの)ku(暮らしを)s(素敵にサポート)をコンセプトに、美容師・ネイリスト・メーキャップアーティストが協力し、がんと闘う患者さんを美容をとおしてサポートを行う日本で唯一の団体です。
本日は、ikus.医療美容ケア研究会が、2017年から継続的に開催してきた、がんサポートイベントの様子をご紹介したいと思います。
私たちの活動に興味をお持ちのかた、私にも何かできることはないかな?と想いを抱いているかたは是非、最後までお読みください。
がん患者さんのためのサポートイベント
ikus.医療美容ケア研究会が主催するがんサポートイベントは、パンデミック前は、年に2回東京で開催され、毎回100名を越える患者さんや医療従事者のかたが参加される大きなイベントでした。
ikus.医療美容ケア研究会認定の美容師、ネイリスト、メーキャップアドバイザー、そしてたくさんのがんサバイバーボランティアさんの協力のもと、いろいろな講座や、交流会、ブース体験があり大変賑わっていました。
ランチ交流会では、がんサバイバーボランティアさんが、各テーブルで同病のかたをお迎え。どのテーブルも笑顔があふれていました。
また別室で行われた乳房再建体験会では、これから乳房再建をされるかたの参考になればと、インプラントや自家組織で再建されたかたが、お胸を見せてくださいました。
経験者のリアルな話しを聞き、不安なことをその場で聞くことができる、このような貴重な体験会もサバイバーボランティアさんの協力のおかげです。
皆さんそれぞれ自分に出来ることで、これから治療がはじまるかた、治療中のかたの一助になれたら…という想いで活動しています。
メイクチームの活動内容
おしゃれマルシェで、私たちCare freeはメイクブースの運営やメイクの講演、そしてつけまつげのワークショップなどを担当しています。
つけまつげのワークショップ
つけまつげのワークショップでは、つけまつげの種類と選びかたなどの情報に加えて、ご自分で出来るように、つけかたを実践的に学べるように体験型で実施しています。
毎回4~5テーブル用意するのですが、とても人気で、参加チケットは即完売。
皆さんの関心の高さや、お困りであることが伺えます。
一つのテーブルに6名の参加者さまをお迎えするのは、わたしたちメイクチームと、この日のために、つけまつげの講習を受けた美容師メンバー。
メイクチームはまだ人数が少なく、私たちだけでは、参加されるお一人お一人に目と手が行き届きません。
つけまつげを、つけて差し上げるだけならお一人30秒で出来ますが、私たちが届けたいのは治療中の安心と笑顔と自信。
治療中いつもの普通の暮らしがおくれるよう、自宅で自分で再現できることをゴールにした、つけまつげのワークショップをサポートメンバーが必要でした。
この先、ikus.認定メーキャップクリエーターに合格された方には、積極的にサポートに入っていただきたいと考えています。
美容師メンバーの協力を得て、たくさんのかたが笑顔になられた『つけまつげワークショップ』の様子をご覧ください。
デモンストレーション
この日は、つけまつげの選びかたと付け方のレクチャーからスタートしました。
由比の隣にいるのは、サバイバーのリンゴさん。
レクチャーのモデルになってくださいました。
メイクとコスメが大好きなリンゴさんは「大変な治療中こそ、メイクで気持ちが上がることを多くの人に知って欲しい」と、いつも私たちの活動をサポートしてくださっています。
経験者の知恵と工夫をつなぐ
つけまつげをつけて一日過ごしていると、目頭や目尻が取れやすい傾向があります。
「新品のつけまつげは、つける前に軸の部分を柔らかくしたり、温かい飲み物を入れたマグカップに貼っておくと良いですよ」と、リンゴさんからのアドバイス。
熱が加わることで、つけまつげの軸にカーブがつき、まぶたのカーブに添いやすくなるため、結果的にはずれにくくなるのです。
ご自身の体験を通しての知恵や工夫といった情報は、これから治療が始まるかたにとって、安心に繋がります。
こういった経験者の皆さんから教わった沢山の工夫や知恵を、必要とされるかたに伝えていくことも私たちの使命です。
初めてのつけまつげ
つけまつげをつけるコツを、みんなで確認したあとは、みんなで挑戦!
つけまつげの軸部分にグルー(つけまつげ専用のノリ)をつける参加者さま。
グルーを付け終えたら、まぶたに付けていきます。
初めて、つけまつげにチャレンジするかたがほとんどですが、失敗しても大丈夫!
私たちがそばで見守りながら、時にはサポートしながら、つけていくと…皆さんから笑顔がこぼれます。
目を輝かせながら鏡に映るご自分の顔をのぞき込む参加者の皆さん。
同じテーブルの方と顔を見合わせて、「すごくナチュラルで素敵ですよ」「とってもお似合い、かわいいです」自然と会話が弾みます。
参加くださったある1人の女性が、こうおっしゃいました。
「つけまつげを色々試してきて、どうしてもハデになっちゃって…こんなものか、しょうがないって思ってつけてたけれど、今日は来て良かった!本当に自然で驚きました 」と。
良かった。本当に良かった。
抗がん剤治療中、メイクやコスメが心に与えるチカラを改めて実感するとともに、化粧品の選び方や化粧のやりかたなど、サポートを必要とされる方が沢山いらっしゃることに気づいた、つけまつげワークショップでした。
市販の自然なつけまつげ
つけまつげワークショップでご紹介している市販のつけまつげを、実際につけているビフォーアフターの写真をご覧ください。
いかがでしょうか?
初めて挑戦する方にも大変好評だったこのつけまつげは、自然さにこだわって探しました。
脱毛を伴う抗がん剤治療中、ご自分のまつ毛の代わりに目を守り、目元に立体感を演出するつけまつげ。
普段あまり化粧をしない方でも違和感がないように、大人の女性の目元にナチャラルに仕上がるように、様々なメーカーのつけまつげの中から、探しに探してようやくたどり着いたつけまつげです。
講習で学べること
Care freeの講習では、つけまつげの選びかたの着眼点や、市販の具体的なアイテムの情報共有も行っています。
メイクのプロとしての知識技術を深めることに加えて、がん患者さんとの交流を通して知り得た、お困りのこと、あると助かった化粧品、生活の知恵などを、私たちを通して伝え広めていくことも、大切な使命のひとつだと思っています。
全国各地に、がんと向き合うかた、闘うかたがいらっしゃいます。
必要とされる時に、必要な情報や方法を届けることで、治療中も自分らしく過ごしていただきたい。
そのために私たちは活動を続けます。