「メイクには自信がありました。」
箕輪さんは、東京・原宿の美容室で長年活躍し、スタッフへのメイク講習も担当。
2016年には栃木県小山市にマンツーマンヘアサロンnicoをオープン。


美容師として、お客様一人ひとりに寄り添い、カウンセリングを大切にしてきました。
だからこそ、メイクにも自信がありました。
でも、その自信が揺らいだ出来事がありました。
ikus.医療美容ケア研究会主催、がん患者さんのための外見サポートイベントのメイクブースでボランティアをしたときのこと。
治療中の患者さんのお悩みは、これまで美容室で向き合ってきた人たちの悩みとはまったく違いました。
敏感な肌、乾燥、眉毛やまつ毛の脱毛…
「役に立ちたい。」
その気持ちはあるのに、今まで当たり前に使っていたメイク道具や化粧品が思うように使いこなせない。
手は動く。
メイクはできる。
でも、
「なぜ、この方法なのか。」
「患者さんにどう伝えたら安心してもらえるのか。」
それを言葉にできませんでした。
外見サポートイベントでの活動を重ねるたびに、自信は少しずつ小さくなっていったそうです。
「私は20年前でメイクもコスメも止まっていたんです。」
その言葉が、とても印象的でした。
栃木県小山市にある
箕輪さんの美容室nicoは予約もいっぱい
自然な医療用ウィッグを求めて
製作のご依頼や相談も多い。
新しいメニューを増やす予定もない。
それでも学ぼうと思った理由は、ただ一つ。
困っている方の力になりたかったから。

外見サポートメイクパートナー講習で、箕輪さんが一番向き合った課題は、「技術」ではありませんでした。
それは、
“言語化する力”。
感覚で出来ていることを、誰にでも伝わる言葉に変えること。
そして、患者さんが自分でも再現できるように伝えること。
この2つの力を身につけたことで、メイクは「きれいにする技術」から、「生活を支える技術」へと変わっていきました。

病気になっても、生活は続きます。
出かける日もあれば、人に会う日もある。
だから私たちにとってメイクは、見た目を整えることだけが目的ではありません。
メイク=治療中の外見ケア
その人らしく毎日を過ごすための支えになる。
箕輪さんは、今日も美容師として、そして外見ケアに携わる一人として、お客様に寄り添い続けています。
