脱毛を伴う抗がん剤治療中に役立つコスメ

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こんにちは、Care freeの由比です。

外見サポートメイク(アピアランスケア)や、私たちの活動に興味を持っていただきありがとうございます。
今回の記事は、全国各地でメイクの楽しさやコスメの魅力を発信している方や、メイクを仕事にしている方に向けて情報をシェアいたします。
ピックアップアイテムは、抗がん剤治療による外見の変化、脱毛を伴う抗がん剤治療中に役に立った!と仰る患者さんが多い、「セルフタンニングアイブロウ」というコスメです。
セルフタンニングアイブロウを初めて知った方、眉ティントとどう違うの?と疑問に思われた方はぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

抗がん剤治療と脱毛中の眉メイク

抗がん剤治療に対する間違ったイメージ

抗がん剤治療は毛髪が抜けるというイメージをお持ちのかたも多いのではないでしょうか?
まず前提として、抗がん剤治療=全ての人が脱毛するというイメージは間違いです。
抗がん剤の種類によって異なり、また投与量や期間、体質によって副作用の出かたは様々であることをお伝えしておきます。

脱毛を伴う抗がん剤治療中の外見の変化とメイクの悩み

脱毛を伴う抗がん剤治療中、外見の変化にショックを受けるかたも少なくありません。
脱毛を伴う抗がん剤治療がはじまるかた、治療中のかたの中には、治療をきっかけに、はじめて眉を描くことになったと仰るかた、日常的にメイクはするけれど眉を描くのが苦手と仰る方が多くいらっしゃいます。

想像してみてください。
大変な治療中、眉毛が抜けてきて初めて眉を描くことになったら…不安を覚えるのは当然のこと。
眉を描くときに何を使えばいいの?どうやって眉を描けばいいのかな…?
分からないことが多すぎて困るかたがたくさんいらっしゃいます。

戸惑うこと第一位

2014年から活動を続ける中、ずっと続けていたことがあります。
それは、脱毛を伴う抗がん剤治療中の方が困っていること、経験された方が治療中に工夫して良かったことのヒアリング。
ダントツで多いお悩みはなんだと思いますか?

それは…「眉の位置」が分からないというお悩みなのです。

メイク経験者の皆さまならご存知の通り、眉はミリ単位で雰囲気が変わります。
一般的な眉メイクの情報は、トレンドや形がファーカスされていますが、患者さんがご自分で眉を描けるようにサポートするための外見ケアメイクでは、眉頭の位置、眉山の位置、眉尻の位置(眉の長さ)、眉の高さの位置…これらをお一人お一人の顔に合わせて説明&提案するスキルが必要です。

この眉のメイク理論については、講座内でしっかりとお伝えしたいと思います。

眉の位置問題の救世主

今日は脱毛を伴う抗がん剤治療中、眉の位置が分からないという問題に役立つコスメ「セルフタンニングアイブロウ」をご案内いたします。
実はこのセルフタンニングアイブロウ、私自身がんサバイバーさんから「治療中に役に立った化粧品」と教わり初めて知ったコスメなのです。

今でこそ、類似コスメの「眉ティント」が知られていますが、私たちががん患者さんの外見ケアサポート活動を始めた2014年当時は、知る人ぞ知るコスメでした。
調べてみると、以下のようなかたが愛用していらっしゃることがわかりました。

☑︎もともと眉毛が薄い方や少ない方
☑︎自分で眉毛を抜いたり剃ったりしてるうちに生えてこなくなった方
☑︎年齢を重ね眉毛の量が減ってきた方

体質的な特徴のかたや、眉に悩みを抱えるかたが、朝の眉メイクの時間短縮や、プールやジム、旅行などすっぴんになるシュチュエーション対策としてセルフタンニングアイブロウを取り入れていらっしゃることがわかります。

消えない眉、眉ティント

何年か前に「眉ティント」が大流行して、一般的なコスメとして定着したこともあり、中にはセルフタンニングアイブロウというワードを聞いたことのあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。

※眉ティントとは?
韓国で発売するやいなや人気を集め、その後日本でも話題となったコスメ。
専用の液体を眉の地肌部分に塗って、時間をおいて剥がすと、角質層に色がつき数日間キープしてくれる便利アイテム。

プール、ヨガなど運動の際に描いた眉メイクが消えても安心、旅行などお泊りの時に洗顔をしても消えないため」消えない眉」とも言われています。

セルフタンニングアイブロウと眉ティントの違い


セルフタンニングアイブロウと眉ティントはどのような違いがあるかご存知でしょうか?
ズバリ!眉ティントとの大きな違いは、剥がさなくて良いという点。

例えば、脱毛を伴う抗がん剤治療中に眉ティントを使う場合、剥がすという行為がデメリットになります。
眉ティントを塗り、乾いてから剥がすときに、残っている眉毛に負荷が掛かり、抜けてしまうことを気にされるかたもいらっしゃいます。

眉ティントを剥がさずに工夫して取り除く方法もありますが、下の写真のようネットリとした液体をたっぷり塗布→乾いた状態のものを剥がさずに取り除くには手間がかかります。 

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セルフタンニングアイブロウは、筆ペンタイプ、フェルト芯タイプなど形状は様々ですが、共通点は液状であること。
眉を描くように塗布するができるので抵抗なく使えるかたが多い印象です。
翌朝、洗い流します。

消えない眉の特徴とメカニズム

消えない眉?!皮膚を染色と聞くと、ちょっと怖い思われる方もいらっしゃるかもしれません。 
セルフタンニングアイブロウや眉ティントの主成分であるセルフタンニング成分「ジヒドロキシアセトン」が肌表面の皮膚を徐々に着色します。
実はこの成分、アラフォー世代の皆さまにとって馴染みのある成分なのです。

若かりし頃に流行した「日焼けローション」に配合されている成分と同じで、皮膚のタンパク質と反応して茶色に着色します。
皮膚には無害なので安心してくださいね。

肌に着色した色素はクレンジングでは落ちず、皮膚のターンオーバーによって、少しずつ薄く消えていきます。

まとめ

リアルな患者さんのお悩みや経験による工夫とコスメはいかがでしたでしょうか?
全体のごくごく一部ではありますが、私たちケアフリーメンバーがたくさんのサバイバーさんから受け取った知恵と工夫のご紹介でした。

これらの知恵と工夫に、あなたの経験と培った知識技術が合わさることで、生きたアドバイスとなり、これから治療が始まる方にとって役にたつ生きたアドバイスへと進化します。

2015年から約10年間、多くのがんサバイバーさんのお悩みに耳を傾け、治療中の生活に寄り添ってきた私たちが、セルフメイクの工夫の仕方や情報を余すことなく伝える養成講座、まもなく開講です。

あとがき

メイクレッスン、がんサポートイベントなど、これまで多くの方にセルフタンニングアイブロウをご案内してきました。

グループメイクレッスンに参加されたAさんは、脱毛を伴う抗がん剤治療が始まる前に受講されました。
抗がん剤治療を経て、がんサポートイベントで久しぶりにお会いした時のこと「脱毛を伴う抗がん剤治療を機に、初めて眉を描く事になって不安だったけど、これがあったから平気だった」と仰って頂けました。

Aさんは元々、眉毛がフサフサで描いたことがなく、これから始まる抗がん剤治療による副作用の一つ、脱毛に大きな不安を抱えていらっしゃいました。

髪の毛は再現美容師さんによる医療用ウィッグの作成、そしてお顔は私。
それぞれの専門分野でサポートさせて頂いたのが2016年の夏でした。

抗がん剤治療を経て、すっかり自眉に戻られたAさんが笑顔でそう仰ったことに安心し、嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。
メイクやコスメは、時として心を守る鎧となります。
その鎧は、変えることもできるし、脱着することもできるのです。

私たちの活動や、養成講座にご興味があるかた、取材のお申し込みなど気軽にお問い合わせください。

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